59歳で初のフルマラソン出場~NAHAマラソンは依存症の危険がある~
★癒しの島、沖縄
NAHAマラソンに向けては、
毎日4〜5キロのランニングをするくらいで、
フルマラソンに向けた特段の練習をすることなく、本番を迎えたのです。
前日の土曜日に沖縄着。
12月とはいえ、少しむっとする熱気と湿気。
異国の地としか思えない。
かなり環境の異なる中でのフルマラソン。
正直、少し不安になりました。
空港から向かったのが、奥武山公園。
ここでエントリーの手続きをするのです。
ゼッケンや記念Tシャツをもらいました。
私は、フルマラソンに参加するのが
初めてだったのでよくわからないのですが、
まだ本番前日にもかかわらず、
そのエントリー手続きをする会場の
お祭り感がすごかったんです。
音楽や踊りがあるわけではありません。
どのように表現したらいいのかわかりませんが、
こうした前日の楽しくも和やかな雰囲気が、
緊張感を中和してくれた感じがします。
参加する方々も、
これから42.195キロを走るんだという
緊迫感はほとんど見られません。
すると、私も自然にリラックスできたのです。
そのあと、ホテルにチェックインし食事に出かけました。
前日までは炭水化物をしっかりとる方がよい、
とネットで書かれていましたので、「沖縄そば」をいただきました。
沖縄そばは、本土の蕎麦とはちがい、
小麦粉の麺でうどんよりも固め。
ラーメンよりも薄口のスープ。
トッピングは豚肉で、かなりダイナミックな盛り付け。
おいしいし、腹もちもいい。
一度食べると、ほんとくせになります。
会場の雰囲気といい、沖縄そばといい、
訪れる人たちを和ませ、笑顔にしてくれる
「癒しの島」、それが沖縄の良さだと感じました。
★スタートまでの心境
いよいよスタートの日の朝。
4時ごろに起床し、食事はスタート時刻の3時間前の6時。
前日に用意しておいたおにぎりやカステラ、
おもちなどの炭水化物を中心に、
けっこうなボリュームをいただきました。
そのあとは、余計なエネルギーを
使わないようにと、
8時ごろまでテレビを見たりしながらゴロゴロ。
身支度を整え、8時ごろに会場に向かいました。
会場に近づくと、
出場するランナーたちが大勢歩いていて、
その光景を見ると少しずつ緊張感が高まってきます。
受付を済ませ、荷物置き場に荷物をあずけ、
準備体操をしたり、出発前のトイレを
済ませたりしていると、スタートの時間が迫ってきます。
「スタート5分前です」というアナウンスが流れます。
ここで一度目を閉じて、このマラソン出場の目的を確認しました。
本番はあくまで来年の「還暦記念マラソン」での完走。
ハーフを走りきることを目標に、とにかく楽しむこと。
そう自分に言い聞かせながら、スタートの時を待ちました。
★スターターの黒島結菜さんに「ちむどんどん」
いよいよスタートです。
スターターは、当時、NHK朝のドラマ
「ちむどんどん」に主演していた黒島結菜さんでした。
そのドラマは、録画して毎日見ていましたので、
その姿が見られると思うとテンションが上がりました。
さあ、スタートです。
スタートの号砲が鳴ると、
ランナーは一斉に「おおーっ!」と、雄たけびを上げます。
何か、これから戦いにでも行く戦士のような、自分を鼓舞する声です。
スタートの並びの順番は、ゼッケン番号順になっています。
初出場の私の並びは、
スタートラインからかなり後方の位置後方です。
なので、本物のスタートラインに到達するまでに、
5分から10分かかったのではないでしょうか。
何はともあれ、スタートを切ることができました。
まだ走り始めなのに、高揚感と緊張感で心臓がバクバクしていました。
さらに、手を振るスターターの
黒島結菜さんを見て、まさしく「ちむどんどん」でした。
★ペースを守るのは難しい
事前に読んだ本で、周りのペースに
惑わされないようにとのアドバイスが
書かれていたので、それは意識しました。
けれども、周りがすごい勢いで走るので、
それに影響されて、
自分も普段のペースでは走れなくなってしまうのです。
しかも、私のスマートウォッチは、
ランニング用とはいえ安物でしたので、
GPSがついていません。
それで、心拍数だけに気を付けて走りましたが、
少しオーバーペースだったに違いありません。
オーバーペースになってしまった理由は他にもあります。
それは沿道の応援です。
スタートからすぐに、国際通りに入りますが、
すごい数の人がいて、その応援がすごいんです。
みんな手を振りながら声をかけてきますし、
所々で勢いづけるための音楽も鳴っています。
しばらく行くと、
那覇マラソンの名物らしいのですが、
西城秀樹のYMCAが流れてくるんです。
西城秀樹に見立てた派手な衣装をまとった方が、
マイクを持ちYMCAを歌うのです。
そこを走るランナーたちは、
その歌に合わせて
YMCAのポーズをとりながら走るのです。
これがなかなか楽しくて、
とくに私のような西城秀樹の
全盛時代を知っているシニアの世代にはたまらないのです。
こうした楽しい雰囲気がずっと続くのです。
まるでお祭りです。
他のフルマラソンがみんな
そうなのかはわかりませんが、
聞いたところによると、那覇マラソンは特別だというお話を聞きました。
このような楽しい雰囲気は、
ランナーのテンションを上げ、
ハイペースを促してしまう側面もあるのではないかと思ってしまいました。
私もこの楽しい雰囲気に巻き込まれながら、
やはりいつものペースよりは
速めになってしまっていたに違いありません。
とはいえ、那覇マラソンのこの楽しい雰囲気は、
走りながらお祭りに参加しているような気持ちにさせてくれて、
幸福感に満たされます。
スタートしてまだ30分くらいで、
これはいい意味で、
ランニングとNAHAマラソンの依存症になるなと確信したのです。
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