個人Kindle本の紹介「余命1か月から7年間生存中のアラ還看護師」
★「余命1か月」そう宣告されたら
「余命」というタイトルが目に留まって、
この本をダウンロードしました。
もちろん私は、余命を宣告されたことはありませんが、
60歳を迎えた方々ならば、
あと何年生きられるのだろうと考えたことがあるはずです。
そうすると、私などは、
人生100年時代なので、あと40年は生きられる。
体力も気力も維持しながら、
仕事ができるのは30年位なのかな、などと考えたりします。
100年生きられると考えていることは、
ポジティブなのかもしれませんが、
それだけの時間があると考えてしまっている時点で、
1日1日を大切に過ごしているか怪しいなと思っています。
そんな中、目に留まったのがこの本でした。
余命1か月と宣告されたら、あなたならどうしますか。
私のように60歳を超えていれば、
ある程度あきらめもつくかもしれません。
しかし、それが50歳前後であったなら、どうでしょうか。
50歳前後といえば、ご家庭を持たれている方なら、
お子さんがまだ学生、または成人するかしないか、
それくらいかと思います。
これからの成長が、まだまだ楽しみですし、支援も必要でしょう。
ご自分の仕事においても、総仕上げの時期。
責任ある立場になり、気力、体力ともに充実する時期でしょう。
そんな時期に「余命1か月」の宣告。
私なら発狂して、精神に異常をきたすのではないかと思います。
で、この本の著者はどうだったのか気になりますよね。
本を書くくらいの方だから、
ショックは受けながらも、
落ち着いて宣告を受け止めたのでしょう。
そう思いますよね。
でも、そうではありません。
★当たり前の反応
著者は2015年に、
右胸にしこりらしいものがあることに気づき、
すぐに検査を受けます。
結果、乳がんではなく「紡錘細胞癌」。
乳がんではなかったにしろ、
がんに変わりはありませんません。
この本では、そのときの心情が
描写されていますが、
自分を見失うほどの動揺が赤裸々に、
そして素直に描かれています。
たとえば、診断を受けて、
泣くのを我慢していたときに、
看護師さんに、「すごく辛いよね」と
声をかけられた著者は、そこで泣き崩れるのです。
言葉が出ないほどに。
そして息ができないほどに。
周りをはばかることなく。
号泣です。
拙さの残る描写ではありますが、
こうした拙さが、よりリアリティーを醸し出したりします。
個人出版のKindle本の良さは、
こういうところにもあるのです。
★作者のバイタリティー
タイトルが衝撃的なだけに、
内容についても、そのことが中心かというとそうではありません。
私が印象に残ったのは、著者のバイタリティーと、前に進む力です。
著者は、もともとは養護教諭として
17年間学校で勤めていましたが、
旦那さんの海外勤務に同行するために、
職を辞してアメリカのニューヨークに渡ります。
旦那さんの任期は3年だったということですが、
子どもたちがアメリカに残りたい、
という希望を叶えるために、
著者が子どもたちとアメリカに残る決断をします。
しかし、何の理由もなく、
アメリカに滞在することはできません。
ビザが下りないのです。
そこで著者は何をしたかというと、起業したんです。
ホームステイを受け入れる家を購入し、
E2ビザという投資家ビザを取得しているのです。
起業。
家の購入。
ビザ取得。
英語もままならない状況で、
これらのハードルをクリアする熱量はすごいと思います。
このあたりの行動力からしても、
かなりのバイタリティーの持ち主ですよね。
しかし、その後、9.11同時多発テロの影響で、
日本に帰国することになりますが、
帰国してからは子どもたちの学費を稼ぐために働きまくります。
こういった状況の中でも、
落ち込むどころか、
著者のバイタリティーは衰えることはありません。
子育てが何とか落ち着いた48歳のときに、
社会人枠で看護大学に入学するんです。
48歳で看護師をめざす。
これだけでもすごいのですが、その間、
義母の介護のことや、
旦那さんのうつ病などの逆境もあっての行動です。
この逆境については、
あまり紙幅は割かれていませんが、
さぞ辛かったであろうことは行間から伝わってきました。
そんな中での余命宣告。
くじけることのない彼女は、
コロナ禍においては、その病状を押しながら、
看護師として、コロナワクチン接種に関わり、
なんと1万人以上の方に接種を行った
というのですから驚きです。
弱音を吐きながらも、前進し続けようとする。
その姿勢に感銘を受けるとともに、
少しのことで弱音を吐いてしまう
自分の姿勢を反省させられました。
★セカンドキャリアに向けてのヒント
余命1か月と診断された彼女ですが、
その後9年間、現在も頑張っていらっしゃいます。
私がこの本に興味を持ったのは、
単に余命1ヶ月の方が、
その後何年間も生きられているということだけではありません。
著者が、自宅で起業したことです。
オンラインを利用して、
SNSを使って「オンライン保健室」を運営しています
オンラインセミナー動画を配信しながら
コンサルティングをしているようです。
著者のYouTubeで、ご本人の映像を拝見しましたが、
とても健康そうで大変生き生きした方でした。
こういった方々が、SNSやKindle本を通して、
体験などを発信していただくことで、
若い人たちを含め、我々のような退職後、
セカンドキャリアに挑戦しようとする
方々への励みになると思っています。
このような良書が、Kindle Unlimitedなら0円です。
ぜひご一読ください。
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