法人化すべきかどうか分かれ道

★判断の境目

前回は、相続対策として、

「プライベートカンパニーを検討してみてください」

というお話をしました。

つまり、将来、相続税が大変なことになりそうだという場合は、法人化し「資産管理会社」を設立することも考えた方がいいということです。

https://note.com/embed/notes/n4b1d679cea51

ただ、一方で、法人化することのメリットがそこまで大きくない、むしろデメリットにもなりかねない場合もあります。

しかも、法人化にあたっては、それなりに事前学習が必要です。

手続きもそれなりに面倒です。

なので、正直、迷います。

ということで、今回は、どのような場合に法人化が有効なのか。

または、法人化しなくてもいいケースについて事例で紹介します。

まず結論的なことを先に言っておきます。

以下の場合は、法人化のメリットはあまり大きくありません。

・そもそも親の資産はそこまで大きくない場合

・相続の発生までの期間が短いことが想定される場合

逆に、以下の場合は相続対策として法人化のメリットが享受できます。

・親の資産が5,000万円以上

・今後も資産形成を進めていく意志がある

・親の年齢が若く、相続までの期間が長い

これだけで判断できる方もいると思います。

しかし、それでも迷う方もいると思いますので、事例をみながら解説します。

★事例① 法人化しないくてもよいケース

家族構成は、父(70歳)と法定相続人としての子ども2人(娘・息子)。

保有資産は現金5,000万円。

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現在、投資信託を中心に年利4%で運用している。

運用期間を10年と考えると、80歳時点でも約7,400万円です。

その後90歳で死亡したとしても約1億円。

その場合、現在の税率で当てはめれば、相続税納付額はそれぞれの兄弟が400万円ほどです。

これなら、相続した金融資産から相続税を納付しても、かなりの現金が残ります。

仮に、このケースで娘、息子のそれぞれが法人化していた場合を考えてみます。

5,000万円から得られる投資利益は年間200〜300万円。

法人の場合、税理士報酬、法人住民税、会計処理などが毎年発生します。

そうなると、年間200〜300万円の利益を縮小させてしまいます。

ということで、こういったケースの場合は、法人化するメリットは限定的だといえます。

★事例② 法人化した方がよいケース

家族構成は、父(60歳)と法定相続人としての子ども2人(娘・息子)。

父親は今年退職したばかりで、退職金を含めて現金5,000万円を所有している。

今後、息子や娘のために、この現金5,000万円を元手にして資産を増やしていこうと考えている。

まず、不動産を複数購入します。

その家賃を投資信託で積み立てていきます。

その流れで30年間運用。

仮に年利5%で運用できたとします。

その場合、金融資産だけでも約2億2,000万円。

不動産価値も加わると、3億以上になるものと推定できます。

法人化していない場合は、すべて父個人の財産になります。

そんな状況で、相続が発生した場合、お二人の相続税納付額は合計で6,000万円を超えてきます。

金融資産があれば納付可能ですが、それにしても家が一軒買えるくらいの金額です。

では、最初の段階で法人化していた場合はどうでしょうか。

60歳の時点で、娘の会社、息子の会社を設立します。

資産管理会社は一つでもOKですが、今回は、将来、相続争いのないよう、それぞれの会社を設立したと想定します。

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まず、父がそれぞれの会社に資本金を入れたり、適切な方法で法人へ資産を移転します。

この辺の実務は、税理士等の専門家に相談しながらきちんとした法手続きを行っていきます。

そして不動産投資と投資信託で、30年間運用していきます。

その間、贈与を活用し、子どもへ計画的に株式を移していきます。

こうしたことを、30年間かけて実施します。

そうすることで、父親の個人財産が大幅に圧縮され、相続税を抑えることができるのです。

よって、相続税が発生しない。

または、発生してもかなりの少額になることが推測されます。

★法人化の本当の価値

いかがでしょうか。

法人化するかしないか。

みなさんはどのあたりにいらっしゃるのでしょうか。

その辺の判断について考えておいてください。

ただ、親が若く早い時点で相続のことを考えることのできる環境があるなら、多少資産が少な目でも法人化をお勧めします。

なぜかといいますと、法人化のメリットは相続税対策だけではないからです。

本当の価値は、

「親子で長期にわたって資産形成に取り組める仕組み」

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をつくれることにあります。

資産管理会社なら、会社という器の中で資産を運用し続けることができます。

親から子へ、そして将来は孫へと、世代を超えて資産形成を継続していくことも可能になります。

30年、40年という長い時間を味方につけて資産を育てていくことができれば、その恩恵を受けるのは親だけではありません。

子どもたちも早い段階から資産運用や経営に関わることで、お金に関する知識や判断力を身につけることができます。

親子が共通の目標を持ち、未来に向けて資産を育て、守り、受け継いでいくための「家族の資産形成プラットフォーム」を構築する。

これが理想の相続対策だと私は考えています。

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