年金受給だけでは安心できません~意外な出費で将来「詰む」可能性に備える~
★情報が多すぎてどうしたらいいかわからない
「退職金はどのような金融商品で運用すればいいですか」
こう聞かれた場合、答えはいつも同じです。
「人によって正解は違います。」
年金だけで十分暮らせる人もいます。
退職後も収入を増やしていく必要がある人もいます。
すでに十分な資産を築いている人もいれば、これから退職金を活かして資産を育てたい人もいます。
同じ1,000万円の退職金でも、選ぶべき運用方法はまったく違います。
これまで、退職金の運用方法として、
「定期預金」
「国債、地方債、社債、米国債」
「ETF、J-REIT」
「外貨積立」
などの運用方法をご紹介してきました。
しかし、
「結局、私はどのタイプの金融商品を選べばいいのでしょうか」
そんな思いにかられます。
情報が多すぎて、かえって迷ってしまうのです。

★退職後、3つのタイプ
ということで、私がおすすめする運用のポートフォリオをご紹介させていただきます。
ただし、退職金の運用については、退職時の資産状況によって違ってきます。
ですので、まず、定年退職後の資産状況をざっくりと3つのタイプに分類してみます。
タイプ1「年金だけで生活できそう」
タイプ2「年金だけでは生活が厳しそう」
タイプ3「十分な資産を築いてきた」
この3つのタイプです。

タイプ3については、資産形成のプロですから私からのアドバイスは必要ありません。
むしろ私が教えてほしいところです。(笑)
ですので、ここでは、タイプ1、タイプ2の皆さんのみに、退職金運用について提案をさせていただきます。
ぜひ、自分に合った運用法を見つけながら、退職金を「安心して使えるお金」に変えていってください。
★タイプ1「年金だけで生活できそう」な方とは
タイプ1の方というのは、
「年金だけで何とか生活は維持できそう」
「でも、将来のことを考えるとそれだけでは心もとない」
「なので、退職金を運用して、生活資金に余裕を持たせたい」
そう考えるタイプの方です。
どのような方かというと、
「公務員として長く勤めた人」
「比較的大きな企業に長年勤務した人」
「住宅ローンを完済している人」
「比較的まとまった退職金がもらえた」
といった方々です。
厚生年金や企業年金などがあり、年金が比較的安定しています。
また、住居費がほぼかかりません。
おそらく、現役時代から堅実な生活を送ってきた方です。
ですので、退職後も生活水準を大きく下げる必要がなく、年金だけでも生活ができます。
しかし、退職後の残りの人生は短くありません。
その間には、
「予期せぬまとまった支出」
が家計を圧迫することが起こったりします。
「いざという時のお金」
です。

★どのような支出に備えればいいのか
例えば、次のような支出。
①医療費・介護費2,000万円
まず最初に考えておかなければならない支出です。
例えば、
・入院・手術
・歯科治療(インプラントなど)
・補聴器の購入
・介護サービスの利用
このほとんどが、公的医療保険で対応できます。
もちろん補助的な支出は出てきます。
しかし、多くの場合、生活を脅かすほどの支出ではないと思います。
ですが、「介護サービス」だけは、補助的な支出が高額になるケースが多いのです。
ですので、介護費用を確保しておく必要があるでしょう。
私は「要介護1」になった時点で、介護施設に入ることを決めています。
何歳から入るかによって、費用の額は違ってきますが、とりあえず2,000万円程度確保できるよう準備をしています。
②自宅の修繕費1,000万円
ローンを返し終えているということは、自宅が築30年を超えているはずです。
その場合、次のような修繕費が予想されます。
2026年時点の平均的な住宅関連予算の平均値です。
・外壁・屋根の塗装(100~200万円程度)
・キッチンや浴室、トイレのリフォーム(50~200万円程度)
・給湯器やエアコンの交換(20~50万円程度)
・住宅のバリアフリー化
バリアフリーについては、軽微なリフォームなら30~100万円程度。
浴室、キッチンなどの水回りを含めると、150~300万円程度。
ホームエレベーター設置など大規模な改修まで想定するなら300~500万円以上。
こういったことを考えると、住宅関連費用として1,000万円くらいの予備費が必要ですね。
③車・家電等の買い替え500万円
地方では車がないと生活ができません。
また、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなどはライフラインの1つでもあり、必需品です。
これらの支出についても、概算ではありますが500万円くらいは必要でしょう。
④家族への支援500万円
意外と多いのが子どもや孫への援助です。
もちろん、子供は自立しているはずですので、支援の必要はないとも言えます。
しかし現実問題、子や孫が窮地に立たされている場合に、親として何もしてやれないのは苦しいものです。
例えば、私の知り合いの方は、息子さんが起業したのですが、うまくいかず倒産してしまいました。
負債はそこまで大きくなかったのですが、その後の生活や次の仕事探しにと、500万円の支援をしたそうです。
そのおかげで、息子さんは次の職を探すことができ、今は安定した生活ができているようです。
100%の支援を準備しておく必要はありません。
子や孫がピンチの時に、支えとなってあげられるだけの資産的な余力は持っておきたいと考えるのが親心というものです。
それ以外にも、子どもの住宅購入資金、孫の教育費、結婚祝いなどの支援もできればやってあげたいと思うはずです。
そのことを考えると、500万円くらいの資金は確保しておきたいですね。
⑤趣味・旅行500万円
人生100年時代においては、自分をアップデートさせることがとても重要です。
そのためには、自己投資が必要です。
例えば、国内・海外旅行、趣味への投資、習い事。
こういった支出がなければ、知識やスキルを更新することができません。
こういった、
「人生を豊かにするための支出」
そのためにも、しっかりと備えておく必要があります。
習い事を10年間、2年に1回の海外旅行と想定すると、概算で500万円くらいは設定しておきたいですね。

★結論「4500万円」必要です
①~⑤を合計すると、2,000万円+1,000万円+500万円+500万円+500万円=4,500万円
4,500万円
将来に向けて、4,500万円を確保しておいた方がよい。
そういうことになります。

退職金が2,000万円と想定し、それを、仮にですが30年間運用するとして、2倍以上にしなくてはなりません。
ということで、次回は、2,000万円を、30年間で2倍以上にする退職金運用のポートフォリオを紹介します。
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