私たちはどれくらい「税金」を納めているのか③~年収650万円、最終的に手取りはいくら?~

今回は、前回の続きで、Aさんの手取り(可処分所得)を計算します。

https://note.com/embed/notes/nb0dc38e154c2

★控除できる項目

前々回、Aさんの課税所得は、給与所得控除、基礎控除を差し引いた段階で、「427万円」であることがわかりました。

https://note.com/embed/notes/nea55757d25df

では、この額をもとに所得税を計算するのかというと、そうではありません。

さらに控除できる所得控除がかなりあるからです。

いくつか列挙してみます。

◆配偶者控除
一定の所得以下の配偶者がいる場合に適用されます。
平均的に13万円〜38万円くらいです。

◆障害者控除
納税者本人または扶養家族が障害者の場合に適用。
障害の程度によって、27万円、40万円、75万円ほどです。

◆ 寡婦控除
夫と離婚・死別し、扶養家族がいて、一定の所得以下の女性納税者に適用されます。27万円ほどです。

◆小規模企業共済等掛金控除
教職員については、確定拠出年金(iDeCo)になります。
現在上限額が2万円になっています。

◆生命保険料控除
最大12万円(新契約と旧契約で上限が異なる)

◆地震保険料控除
居住用の家屋などにかけた地震保険料に応じて適用。最大5万円。

◆医療費控除
1年間に支払った医療費が、一定額(原則10万円または所得の5%のいずれか少ない額)を超えた場合に、その超えた部分を控除。

◆寄附金控除
国や地方公共団体、特定の公益法人などに寄附をした場合に適用。
「ふるさと納税」もこれに当たります。

いかがでしょうか。

控除できる種類がたくさんありますよね。

特に、iDeCo、ふるさと納税、生命保険控除は多くの方がやっていますので、頭に置いていてください。

あと、医療費控除は「確定申告」が必要ですので、お気を付けください。

https://note.com/embed/notes/n0d9937087f02

ということで、社会保険料と、その他の控除を行って、Aさんの課税所得を計算してみます。

425万円(給与所得控除、基礎控除後)ー871,000円(社会保険)ー10万円(その他控除)
※その他控除は、ふるさと納税、生命保険、iDeCoの合計で10万円としました。

そうすると、Aさんの課税所得は「331万円」となります。

★所得税はいくらになるのか

所得税は課税所得額に、定められた所得税率をかけて税額を計算します。

まず、その定められた税率を確認しましょう。

【課税所得額 税率 控除額】

195万円以下       5%      0円
195万円超 330万円以下  10%   97,500円
330万円超 695万円以下  20%   427,500円
695万円超 900万円以下  23%   636,000円
4,000万円超       45%  4,796,000円

Aさんの給与所得は「331万円」ですので、
課税所得額 330万円超 695万円以下(税率20%)に該当します。

そして、そこから427,500円を除した額が所得税になります。

3,310,000円 × 20% – 427,500円=22万8500円

計算すると、Aさんの納める所得税は「23万4500円」ということになります。

★住民税もあるよ

さあ、所得税がわかったから終わりだ~!

なんて喜んでいてはいけません。

まだ住民税が残っています。

所得税は国への税金、住民税は都道府県と市区町村への税金だと考えてください。

住民税(道府県民税と市町村民税)は、所得税と計算構造は似ていますが、適用される控除額や税率が異なるため、計算し直す必要があります。

ですので、ここでは、その計算式は省きます。

計算の結果、Aさんの年間の住民税額は「約34.7万円」になると推定されます。

だたし、Aさんは「ふるさと納税」をしていますので、その分控除されます。

ふるさと納税についても、その計算式が複雑なので、結論だけ申し上げます。

ふるさと納税を上限額(約81,500円)まで行った場合、公立学校教員Aさんの年間の住民税額は「約284,000円」に減少します。

ふるさと納税、最強ですね!

★手取りは約510万円

では、Aさんの手取り(可処分所得)はいくらか。

年収650万円から、社会保険料「871,000円」、所得税「22万8500円」、住民税「約284,000円」を除すると、「5,116,500円」となります。

Aさんの手取り(可処分所得)は、年間約510万円ということになります。

650万円稼いでも、約140万円が、社会保険料と所得税、住民税に消えていくということです。

減税の対抗措置としては、やはり「ふるさと納税」と「iDeCo」が基本でしょう。

この二つは絶対にやってください。

生命保険については、申請できる上限額が12万円で、実際に控除される額は微々たるものですので気を付けてください。

https://note.com/embed/notes/nbd871478d37d

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