伊能忠敬から学ぶセカンドキャリア~人間は夢を持ち前へ歩き続ける限り、余生はいらない~
★「余生はいらない」
教職員の皆さん、日々のお仕事本当にお疲れ様です。
教育に係る仕事は、やりがいがあり、子どもたちと成長を共にできることの喜びがあります。
しかし、あまりに激務なので、ふと「早く退職を迎えたいな」、そう考える方もいるかと思います。
そして、ゆったりとした悠々自適な余生を思い浮かべたりするものです。
その気持ちは十分わかります。
しかし、人生100年時代を迎えた現代においては、その考えはリスクになります。
例えば、60歳で退職したとして、100歳まで40年もあるのです。
すでに退職した私からすると、ゆったりとした悠々自適な時間が楽しめるのは、ほんの数か月です。
その後は、おそらく多くの方は、有り余る時間を持て余し悶々とし始めるはずです。
そこで、伊能忠敬の言葉です。
「人間は夢を持ち前へ歩き続ける限り、余生はいらない」
この言葉は、江戸時代の偉大な測量家、伊能忠敬の人生哲学を凝縮しています。

彼の人生は、現代の私たちが直面する「人生100年時代」における生き方の理想を、200年以上前にすでに示してくれていたといえます。
★最後まで歩き続けた人生
伊能忠敬は、49歳で家業を息子に譲り隠居した後、天文暦学を学び始めます。

そして、彼が日本全国の測量という壮大な事業を開始したのは、55歳になってからです。
当時の平均寿命は、おそらく40代〜50代だったと考えられます。
ということは、現代で言えば、80歳から新たなことを学び始め、85歳から全国を歩き回ったということになります。
全国を回り続けた約17年間で、総行程は地球一周分に迫る約4万キロメートルにも及びました。
交通網が整備されていない当時の測量は過酷で、かなりの体力を要したはずです。
実際、大病を患うこともあり、一時は療養のために測量を部下に任せたという記録も残っています。
忠敬はこれらの困難を乗り越え、驚くべき精度を持つ「大日本沿海輿地全図(だいにほんえんかいよちぜんず)」を完成させました。
彼は73歳で亡くなるまで、その夢のために歩き続けたのです。
★セカンドキャリアに向けての準備「三つの軸」
あまりにも偉大な業績ですが、私たちがそこから学べることを整理しておきます。
私たちが、今の時代においても伊能忠敬と同様に、セカンドキャリアを充実させるためには、「三つの軸」を基に準備を進めるべきだと考えます。
まず最初の軸が「知識・技能のアップデート」です。
専門知識を活かせる人脈の構築や、新しい資格、技術の習得です。
伊能忠敬は、幼い頃から天文学(暦学)に興味を持ち、商売で成功してからも、独学で天文学や算術を学んでいたといいます。
伊能忠敬とは比べ物になりませんが、私も教員をしながら40代後半から、不動産投資などの投資を進めながら、宅建士やファイナンシャルプランナーの勉強をしてきました。
それが今生きています。
二つ目の軸が「健康への投資」です。
伊能忠敬は、測量を開始するにあたり、歩測というスキルの精度を高めるため、同じ歩幅で歩けるように徹底的に訓練していたといわれています。
また、商人として商品の仕入れや販売はもとより、利根川の治水工事などにも携わっていて、経営者でありながら、常に身体を動かし続けていたといいます。
こうした体を使った仕事の仕方が、結果的に健康の維持につながったのだと思います。
私も健康診断の結果が悪化したことをきっかけに、50代前半からウォーキングを始め、50代半ばからは軽いジョギングに移行し、今は3年連続フルマラソンを完走するまでになりました。
おかげで、62歳の今は健康診断のすべての数値が改善されていて、むしろ現役の頃よりも健康になっています。
セカンドキャリアの充実は、こうした「健康への投資」がかなり重要な軸となるということです。
三つ目の軸が、「強固な経済的基盤」です。
ある時から天文学を活かして、「地球の大きさを知りたい」という思いを抑えられなくなった伊能忠敬は、地図作成という名目で幕府に願い出て、55歳で蝦夷地測量に出発することになったのです。
つまり、幕府がお願いしてはじめた事業ではなかったのです。
ですので、現在の価値にして数千万の初期段階の費用は、すべて自腹だったのです。

後に幕府が、伊能忠敬が作成する地図の価値を認め、支援を始めますが、それでもその支援額は微々たるものだったとのことです。
忠敬に経済的基盤がなかったら、その偉業は成しえなかったと言っていいでしょう。
このように、伊能忠敬の場合、「天文学を学び続けたこと」、「歩き回って健康を維持できたこと」、「商売を成功させたこと」の三つの軸がしっかりしていて、夢を叶える準備がすべてできていたといえるわけです。
まとめますと、セカンドキャリアの準備として、「生涯学習」「健康管理」「資産形成」をしっかり進めていくということになると思います。
★人生の本番はむしろセカンドキャリアにある
私の周りにも、セカンドキャリアを謳歌している人がたくさんいます。
NPOを設立して不登校児童生徒の支援をしている方や、塾を開業して学力支援をしている方、地域のボランティア活動に情熱を注いでいる方。

みんな生き生きとしています。
彼らに「余生」といった意識はありません。
ちょっと飛躍するかもしれませんが、きんさんぎんさんが100歳を過ぎてから歩行訓練を始め歩けるようになったこと、三浦雄一郎さんが訓練を重ね80歳でエベレストに登頂しギネス記録を作ったこと。
この方々を見ていると、むしろ、人生の本番はセカンドキャリアにあるとさえ思えます。
「人間は夢を持ち前へ歩き続ける限り、余生はいらない」
忠敬の言葉は、単なる偉人の逸話ではなく、200年前に発せられた、私たちへのメッセージだと思いませんか。
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