あなたならどれを選ぶ?家族資産経営「4つの選択肢」
★野田税理士からの4つの提案
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世代を超えて、家族で資産形成を進める意向の佐藤さんに対する、パートナーの野田税理士さんからの提案は次の4つです。
提案1 親子で資産管理会社を設立し、将来2人の兄弟に分社する
提案2 最初から兄弟のために、2つの資産管理会社を設立する
提案3 父親の個人資産を段階的に贈与していく
提案4 個人と法人の「ハイブリッド型」で対応していく
一つ一つの提案について解説します。
読者のみなさんなら、どの提案を選択するのかをぜひ考えながら読んでみてください。
★提案1 親子で資産管理会社を設立し、将来2人の兄弟に分社する
まず父・長男・長女で会社を1つ設立します。
1つの会社で資産形成を進めていく考え方です。

30年かけて、会社で不動産・金融資産などを運用していくのです。
その間、父の株式を長男・長女へ計画的に移していきます。
これは相続対策になります。
個人として暦年贈与する場合は、不動産を少しずつ贈与するなんてことが難しいのです。
あと、会社なら親子、孫までを含めて、共同で資産形成を進められます。
さらに、2社ではなく、一つの会社で運用するのでスケールメリットも期待できます。
このように、法人化のメリットは、「家族全体の資産形成会社」という器を作れることです。
ただし、懸念材料もあります。
一番の問題は、将来「株主が増えすぎること」です。
例えば、長男の子ども2人、長女の子ども2人となれば、孫世代で株主が5~7人になる可能性があります。
さらに、その子どもたちが結婚して、その次の世代へ移れば、もっと複雑になります。
もちろんそれって、40~50年も先のことではありますが、相続対策としては考えておく必要があります。
したがって、「将来分社する」という出口戦略を設計しておくことです。
20~30年後、必要であれば長男ファミリーと長女ファミリーの2社に分社するのです。
★提案2 最初から兄弟のために2つの資産管理会社を設立する
提案1の「将来分社する」という課題に対応する案です。
息子ファミリー会社は、父+長男を株主にし不動産・金融資産を運用します。
一方、娘ファミリー会社も、父+長女を株主に遺産運用するという形です。
父親が両社の株式を持ち、時間をかけて長男・長女へ移していきます。
メリットは、兄弟それぞれの家族単位で資産形成が進められることです。

長男は不動産投資がしたい。
長女は投資信託を中心に運用したい。
兄弟で話し合うことなく、それぞれ自由に経営できます。
何より、将来、会社を分社する必要がありません。
しかし、会社を分けることにはデメリットもあります。
会社が2社になるため、コストが2社分かかってしまいます。
コストとは、法人設立費用、税理士報酬、法人住民税、決算・申告会計処理などです。
また、親の資産を2社に配分しますので、スケールメリットが得られず、資産の積み上げのスピードが遅くなります。
金融機関等からの信用度としても、親の資産が2社に分かれますので、1社よりは低くなります。
★提案3 父親の個人資産を段階的に贈与していく
最もシンプルなのがこれです。
父親が個人で、投資信託、株式投資、不動産投資などを進めていく方法です。

とにかくシンプルで、会社を維持するコストが必要ありません。
ただし、デメリットもあります。
資産運用がうまくいき、資産が増えていくにつれて相続対策が難しくなっていきます。
仮に3,000万円を年5%で運用したとしても、20年後に約7,960万円、30年後には約1億2,970万円になります。
好景気が重なったり、不動産事業が成功したりということがあれば、資産はその倍以上になる可能性すらあります。
その場合は、毎年、少しずつ親の資産を子どもたちへ計画的に贈与することも可能です。
しかし、不動産がからむと難しくなります。
金融資産も分割してしまうと、運用の効率が悪くなります。
会社ほど相続対策が容易ではありません。
しかも、この方法では家族全体で資産形成を進めていくという流れが作れなません。
親の資産運用を、子や孫たちも巻き込んで進めるのは難しいです。
「所詮、親の資産だよね」
となってしまうと、子どもたちや孫たちが、資産形成に主体的に取り組む意識は高まりません。
★提案4 個人と法人の「ハイブリッド型」で対応していく
この案は、すべてを法人に入れるのではなく、
「個人で持つ資産」
と
「法人で運用する資産」
を分けて、それぞれで運用していく方法です。

例えば、個人2,000万円を将来の老後・介護資金のために運用します。
築年数が長くなったうえに、広すぎる自宅を売却し、その資産を会社の資本金とします。
そのうえで、会社の事務所として、夫婦の住居として適切な広さのマンションを購入します。
将来、夫婦が他界した後は、子が住むか賃貸に出すかします。
そして、法人 3,000万円の一部または全部を今後の投資資金として不動産投資・金融資産運用という設計です。
柔軟性はありますが、会社設立の時期や親の資産を会社に移すタイミングなど、判断が難しい場合もあります。
いかがでしょうか。
野田さんからの4つの提案、みなさんならどの提案を選択しますか。
ご家族の構成や関係性、資産の多可、住まわれている地域の状況にもよりますので、万人にストライクとなる提案はないと思います。
しかし、この4つの提案は、今後家族で世代を超えた資産形成を考える方にとって、基本的な視点となるものだと思います。
それぞれの提案をカスタマイズしながら進めてください。
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