いまだに進学校に対してステレオタイプの偏見を持っている方の多さに正直驚きます
★元公立小教員としての「10年後、20年後」の気づき
私はかつて、公立小学校の教員として多くの子どもたちを中学校へと送り出してきました。
日々子どもたちと向き合う中で、彼らの成長を見守ることは無上の喜びでした。
しかし、本当に興味深いのは、彼らが小学校を卒業した「その後」です。
10年、20年という歳月が流れ、成人したかつての教え子たちの姿を見るにつけ、私の中で一つの確信が生まれました。
それは、
「もしチャンスと環境が許すのであれば、中高一貫の進学校に進学させたほうがいい」
ということです。

こう言うと、
「教員が特定の学校を贔屓するのか」
「学歴至上主義か」
とお叱りを受けるかもしれません。
もちろん、これは私の個人的な印象であり、厳密な統計データに基づいたものではありません。
しかし、社会人となったかつての教え子たちと再会したとき、
いわゆる公立・私立の進学校に進んだ子たちは、明らかに
「幸せそうな顔」
をしているのです。
彼らの多くは、経済的に安定し、社会的地位の高い職業に就いています。
それだけでなく、精神的にも自立し、穏やかで温かい家庭を築いているケースが目立ちます。
「進学校へ行くこと」と「人生の幸福度」の間には、無視できない相関関係がある。
そう肌で感じざるを得ないのです。
★「勉強ばかりの冷たい場所」という進学校に対する偏見
一般的に「進学校」という言葉には、どこか冷たい響きがつきまといます。
偏差値や東大合格実績が強調され、
「寝る間を惜しんで勉強漬けになる場所」
「周囲は全員ライバルで、他人を蹴落としてでも合格を目指すギスギスした空間」
そういったイメージを持たれがちです。
そうした「受験予備校」的な側面に、拒絶反応を示す親御さんや教育関係者も少なくありません。
しかし、断言します。
それは明らかな偏見です。
むしろ、日本におけるトップクラスの名門進学校ほど、驚くほど「自主・自立・自由」の精神を大切にしています。

例えば、麻布中学校・高等学校や灘中学校・高等学校、筑波大学附属駒場中学校・高等学校などには、細かい「校則」が存在しません。
制服がなく、私服通学が当たり前という学校も多く存在します。
大人が細かくルールで縛らなくても、生徒たちが自律的に行動できると信じられているからです。
また、こうした学校の文化祭や体育祭の熱量は凄まじいものがあります。
開成中学校・高等学校の文化祭は、すごくエネルギッシュです。
開成中学・高校の文化祭「開成祭」を取材!「主体的な自由」が導く探究の泉は、来場者の知的好奇心をも刺激 | るるぶKids日本屈指のトップ進学校である開成中学・高校(東京・荒川区)の文化祭を、るるぶKids編集部がインフルエンサーのがくパパと共kids.rurubu.jp
そうでありながら、理科実験や鉄道、数学、演劇といった、いわゆる“オタク文化”も盛況です。
麻布の文化祭も、独創的な展示やサブカルチャー系の企画が並びます。
そして、これらの運営に先生が介入することはほとんどありません。
すべてが生徒の「自治」によって行われているのです。
★なぜ進学校には「いじめ」や「学級崩壊」がないのか
このように、進学校の最大のメリットは、その「人間関係の心地よさ」にあります。
異質が認められる心地よさです。
受験指導の質の高さではありません。
公立校であれば「浮いてしまう」ようなタイプの子が、そのまま受け入れられる土壌があるのです。
なぜ、彼らは異質な存在を排除したり、いじめたりしないのでしょうか。
それは彼らが、脳科学的に見ても「賢い」からです。
ここで言う賢さとは、単なる「記憶力」や「テストの点数」ではありません。
本質的な「賢さ=高い協調性」です。
近年の脳科学の研究でも、進学校の生徒は、衝動を抑制し論理的な判断を下す「前頭葉」の機能が高い傾向にあることが分かっています。
前頭葉が強く働くということは、
「ここでアイツをいじめて排除することは、長期的には自分の評判を下げ、人間関係を壊すデメリットしかない。
つまり非生産的な行動だ」
と、抽象的・長期的な損得勘定を頭の中で瞬時に計算できるということです。
計算高いと言われればそれまでですが、それが「大人」の対応ではないでしょうか。
異質を排除し、他者と不必要に対立することは生産的ではない。

むしろ、いかに協調し、集団としての最適解にたどり着くか。
彼らはそれを本能的、あるいは論理的に理解しているのです。
だからこそ、学校が荒れることもなく、互いの個性を
「おもしろい変人」
として認め合える、心理的安全性の高い環境が保たれるのです。
★不確実な時代を生き抜く「最高の仲間」という資産
もちろん、人の幸せはそれぞれです。
進学校に行かなければ不幸せになるわけでは決してありません。
私自身、中学・高校ともに地元の一般的な公立校出身です。
特に中学校はかなり荒れており、授業中に机がひっくり返るような環境でした。

しかし、そこでもみくちゃにされながら得た泥臭い人生経験や反骨精神は、今の私の財産になっています。
ですから、すべての子供が進学校を目指すべきだとは思いません。
しかし、もし今、お子さんに進学校に行けるだけのポテンシャルがあり、家庭にもそれを支える経済的な余裕があるにもかかわらず、
「進学校に行くと勉強ばかりで性格が歪むのではないか」
といった世間のレッテルに迷っているなら、私は元教員として、迷わず「行かせてあげてください」と背中を押します。
進学校は、単なる受験のテクニックを教える場所ではありません。
高い知性を互いに尊重し合い、尖った個性を認め合い、自由の中で自律を学ぶ場所です。
そして何より、社会に出た後も互いに刺激し合える、一生の宝物となる「最高の仲間」と出会える場所なのです。
それは、これからの予測不可能なサバイバル時代を生き抜く上で、親が我が子に贈ることができる、最も強固な「目に見えない資産」になるはずです。
お子さん自身がそれを望んでいるのなら、どうぞ安心して、その一歩を応援してあげてください。
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