教員の休職が最多~ところで給料はどうなるのか~
★休職の理由で最も多いのは「精神疾患」
今回は、教職員が病休などで、休職しなければならない事態になった場合の
休むことのできる日数や給料について、ファイナンシャルプランナーの学習をからめてお話します。
文科省の2023年の調査によりますと、精神疾患を理由に病気休職した教職員数は全体の0.71%に当たる6539人で、過去最多となっています。
そして、全体の休職理由の中で「精神疾患」が最も大きな割合を占めているとのことです。
私が教頭、校長として勤めている間にも、3人の職員が精神疾患を理由に休職しました。
管理職として責任を感じました。
私自身はメンタルを理由に休職したことはありません。
しかし、自治体の教育委員会で指導主事をしていたとき、上司からものすごいパワハラに遭いました。
それこそメンタルをやられ、休む寸前まで悩みました。

そのとき、休職してしまうと給料がどうなるのかと心配したことを覚えています。

ですので、今回は、休職中の給料について、ファイナンシャルプランナーの
学習とからめてお話ししたいと思います。
★傷病手当と就業不能保険
FP2級過去問題 2023年1月学科試験 問7(筆者改題)
健康保険の傷病手当金の支給を受けるべき者が、同一の疾病または負傷およびこれにより発した疾病について障害厚生年金の支給を受けることができる場合、原則として傷病手当金は支給されない。〇か×か
解答〇
FP2級 2021年1月 実技(金財:生保)問5(筆者改題)
最近では、精神・神経疾患による就業不能状態を保障の対象とする保険商品も販売されており、これらの保険を検討することもよい。〇か×か
解答〇
この2つのFP問題、基本的に教職員は心配する必要はないという意味で提示しました。
なぜなら、公務員である教職員は、かなり手厚いサポートがあるからです。
このことを頭において、この後の内容をお読みください。
★病気休暇90日間給料満額
まず手続きですが、うつに限らず、何らかの疾患が理由でお休みする場合は、「病気休暇」を取ることになります。
病気休暇を取得する場合、まずは医師の診断書を取る必要があります。

診断書には、病名とともに、どれくらいの期間休むべきかの医師の判断が示されています。
まず、そのうち90日間、つまり約3か月は有給で休むことができます。
そして、この間は、給料は全額支給されますし、賞与(ボーナス)もあります。
★休職最長3年80%
では、90日間の「病気休暇」後も回復しなかった場合はどうなるかといいますと、そこからは「休職」となります。
休職の期間については、最長で3年です。
3年あれば、ほとんどの病気は回復可能だと思います。
しかしながら、不幸にも休職期間が3年を超えてしまった場合、地方公務員法第28条第1項第2号に該当してしまい「免職」となります。
賞与については1年間は減額、2年目以降は支給されません。
まとめますと以下になります。
・病気休暇(3ヶ月):給料100%(ボーナスあり)
・病気休職(1年間):給料80%(減額ボーナスあり)
・病気休職(1年6ヶ月):給料66%(ボーナスなし)
・病気休職(6ヶ月):無給
・病気休職(3年):免職
★3年免職について
公務員法により、公務員が3年以上休職すると残念ながら分限免職となります。
しかし、その間に一度でも復職し、1年以上勤務すれば、休職期間はリセットされます。

例えば、2年9か月休職したとしても、復職してそこから1年間勤務することができれば、2年9か月の休職はリセットされます。
その後(つまり復職後1年以上勤めたのちに、再度病休、休職となった場合は、再度、最長3年間休職することが可能だということになります。
ただし、復職の期間や回数は、各自治体によってもルールが異なる場合がありますので、自治体の担当課へ問い合わせて確認してください。
★神は乗り越えられる試練しか与えない
令和5年度「仕事と生活の調和」の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査によると、「病気休暇制度、休業制度」を導入している企業は全体の51.1%でしかありません。
公務員である教職員の場合、「病気休暇制度、休職制度」を100%利用することができます。
これは、「傷病手当」「就業不能保険」に当たります。
精神疾患を含め、休業せざるを得ない状況になってしまうことは不幸なことではありますが、
公務員である教職員には、その回復をサポートする制度が充実しています。

ですので、利用できる状況である場合は、遠慮することなく利用してほしいと思います。
とは言っても、「補充教員が見つからない」「昇進に影響する」などの心配をする方も多く、現状が制度に追い付いていない状況もあり悩む方もいることも認識しています。
「神は乗り越えられる試練しか与えない」

これは、私の好きだったテレビドラマJINー仁ー の主人公、南方仁(みなかたじん)のセリフです。
どんなことがあっても、それは人の成長のために神さまが与えた神の計いであると言っているのです。
とはいえ、つらいときはつらい。
病休も休職も逃げでなく、睡眠と同じで、成長するための休息時間だととらえてください。

私のように、60歳を超えると、なんであの時無理しちゃったんだろう。
見栄を張って頑張っちゃったよな、なんて思うことがたくさんあります。
人生は長距離マラソンです。
途中で歩こうが、立ち止まろうが、ゴールにたどりつけさえすればいいのです。
弱い自分を許してあげてください。
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