最高のコーチは、教えない

「最高のコーチは、教えない」ディスカヴァー・トゥエンティワン 吉井理人(千葉ロッテマリーンズ監督)1,650円→Kindle Unlimitedなら0円

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吉井理人とはだれ?

吉井氏は、現在、千葉ロッテマリーンズの監督を務めています。

私が野球が好きだから、
この本を紹介するというのではなく、
吉井氏の考え方が好きなのです。

で、なぜ吉井氏を
好きになったかと言いますと、この本を読んだからです。

おそらく教師や管理職をされている皆さんなら、
吉井氏のこの著書を読めば、
その考え方に共感するのではないかと思います。

なぜなら、氏の考え方は限りなく「教育」の考えに近いからです。

読み進めていくうちに、
コーチングの真髄にふれられるだけでなく、
教師として、または管理職としての
自分のあり方について考えさせられると思います。

さて、吉井氏をご存じのない方のために、
ウィキペディアから引用したデータをもとに、簡単に経歴を紹介します。

吉井 理人(よしい まさと、1965年4月20日 )氏は、
和歌山県出身の元プロ野球選手で、
現在千葉ロッテマリーンズの監督をされています。

現役時代は近鉄バファローズを皮切りに、
日本プロ野球4球団、メジャーリーグ3球団でプレーしました。


2007年に現役を引退してからは、
野球解説者、3球団でコーチを経験しています。

また、2014年から、
筑波大学大学院で
野球コーチング論を研究し、修士の学位を取得しています。

ざっとこのようなところですが、
やはり、優れた人は学びを継続しているのだとわかりますよね。

ということで、
その吉井氏の著書「最高のコーチは、教えない」を紹介します。

教師も管理職もコーチングを学ぶべき

監督やコーチの仕事は、
教師の仕事と共通している点が多いと思います。

どちらも、相手の可能性を伸ばすことが仕事だからです。

たとえば、彼がニューヨーク・メッツで
プレーしていた時のコーチの、
ボブ・アポダカさんとのエピソードが紹介されています。

ほとんど何も教えてくれない
アポダカコーチが、ある時、
吉井氏に近づいてきたので、
「アドバイスをもらえる」と思ったら、このようなことを言われたようです。

「おまえ以上におまえのことを知っているのは、このチームにはいない」

「だから、おまえのピッチングについて、俺に教えてくれ

「そのうえで、
どうしていくのがベストの選択かは、話し合いしながら決めていこう」

どうでしょう。

日本人には、少し違和感がありますよね。

とくに、いかにうまく教えるかが
問われている私たち教師にとっても、

「おまえのピッチングについて、
俺に教えてくれ」なんて、
よくわからない発言だと思われてしまいます。

しかし、このコーチとの出会いが吉井氏を変えたのです。

そのころ日本では、
コーチが自分の尺度で選手を見て、
自分の尺度に合うように修正するのが一般的だったとのこと。

しかし、アポダカコーチは、
吉井氏がどのようなピッチングをする投手で、
どんなピッチングをやりたいかをはじめに聞いてくれた。

その上で、その方向性に沿ったアドバイスをしようと考えてくれた。

この言葉を聞いて、
吉井氏はこの国でやっていけるかもしれない
と思ったと同時に、

アポダカコーチとの出会いが、
氏のターニングポイントとなったと述べています。


本来教師も、生徒に対して教えてばかりではだめです。

「あなたはどういう人になりたいのか」
「どういう生き方をしたいのか」、

そういった「問い」を発しつづけなければ、

生徒は考えるようにはなりません。

一方的な指示やアドバイスだけでは、
人は育たないのだということを、
この著書から学ぶことができます。

振り返りの重要性

私はブログなどで、
教師は力をつけたいと思うなら
「振り返り」を習慣化してほしいと話しています。

吉井氏も、コーチ時代、
ピッチャーの「振り返り」を大切にしていて、
その理由として次のようなことを述べています。

吉井氏が選手時代、日本のプロ野球界では、
試合後のミーティングにコーチが
手帳を持って選手たちの前に立ち一方的に教えるのが常識だったようです。

たとえばこのような感じ。

コーチ:「あの場面の投球はあかんかった。次はこうしろ」

そして、選手も、

選手:「わかりました」

で終わり、深く理解しようとしない。

この米国のコーチとの育成方法の違いを、
どうにかしなくてはならない。

吉井氏は強くそう思っていたと述べています。

それで、具体的に吉井氏はどうしたかといいますと。

その日の試合で登板しない控えの投手に、
登板している投手の試合内容を
細かく見るように指示したのです。

そして、試合を細かく見た選手を
新聞記者役に見立て、
試合後、登板した投手に質問させたのです。

たとえば以下のようなやり取りです。

「今日のピッチングは自己採点で何点でしたか」

「今日のピッチングで、良かった点はどこですか」

「逆に、今日のピッチングで悪かったところはどこですか」

「今日のピッチングで、課題だった点はどこですか」

「失敗したと考えるシーンで、
もしその場面に戻れるとしたら、どういうピッチングをしますか」

「それをするために、
どんな準備をしておいた方が良かったと思ういますか」

「それらを踏まえて、
次の登板に向けて今後何をしようと考えていますか」


いかがでしょうか。

登板した投手は、質問に答えるために、
客観的に自分の投球内容を振り返り、
自己分析をするわけです。

記者役の選手も、
自分が登板するときのことを考え、
その対策を考えるようになります。

これが「振り返り」というコーチングです。

コーチが教えるのではなく、
選手たちが試合を振り返り、気づきを得る手法です。

これを、学校の管理職が
教師育成に応用するとしたら、以下のようになるでしょう。

「今日の授業は自己採点で何点でしたか」

「今日の授業で、良かった点はどこですか」

「逆に、今日の授業で課題点はどこですか」

「課題点を修正するとしたら、どのようにしますか」

どうでしょうか。

この、「振り返り」のコーチングは、
教育分野でも活かせますよね。

管理職から、一方的に課題点と修正の
方向性を突きつけるよりも、
この方が自己分析力が育ち、
より良い教師育成ができると思いませんか。

このように、
この「最高のコーチは、教えない」は、
教育に応用できるヒントが満載です。

こんな素敵な書籍が、
Kindle Unlimitedなら0円で読ませていただけるのです。

ありがたいですね。

ぜひご一読ください。

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