次期学習指導要領に期待すること

★そもそも学習指導要領とは

今回は、次期学習指導要領への
私からの要望についてお話しします。

この記事を読まれている方で、
教員以外の方にとって、
そもそも何なのかわからないかもしれません。

学習指導要領とは、
文部科学省が定める
教育課程(カリキュラム)の基準のことです。

幼稚園、小学校、
中学校、高等学校など、

各学校種や教科ごとに、
目標や大まかな内容が定められています。

たとえば、中学校の国語1年生では、
一週間に4時間、年間140時間、
授業を行うことになっています。

また、内容としては、話すこと・聞くこと
書くこと、読むことについて
学習します。

たかがカリキュラムと思わないでください。

このカリキュラムは、
日本においては、法的な拘束力があり、
教育に関連するあらゆるものに影響力を及ぼします。

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授業、教科書はもちろんのこと、
受験内容、問題集が
すべて学習指導要領に則っています。

つまり、学習指導要領は、
教育分野の「憲法」のようなものだと考えてください。
(たとえが適切かどうかはご容赦ください)

★「ゆとり」世代

この学習指導要領は、
10年に1度のサイクルで見直されています。

日本の教育における
「憲法」的なものだとはいえ、

教育という地味な分野ゆえに、
その改定について、
華々しく報道されることはありません。

それでも、過去には授業時数を大きく減らし、
「ゆとり教育」を目玉に改定が
行われたことは覚えている方もいるかもしれません。

結果、学力が下がったと
大騒ぎになりましたし、

その頃に教育を受けた方々を
「ゆとり世代」と評したりしますよ。

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総合的な学習や小学校英語、
プログラミング教育といった
内容についても話題になったりしました。

地味でありながらも、
それくらいの影響力をもっているのが
この学習指導要領なのです。

その学習指導要領が、
2027年(令和9年)に改定されます。

その改訂に向けて、
協議が始まっているのです。

★で、実際、日本の教育はどうなの

学習指導要領は、
教育の世界では「憲法」くらいの
影響力があるとはいえ、

その成果はどうなの
ということです。

とりあええず、
文科省がどう考えている成果について
まとめられていますので、

https://search.app/7qZS3UGv6QUtoKCR8

次期学習指導要領では、指導事項の選択と配列の最適化、構造化が必要【中教審レポートと関係者インタビューで綴る 次期学習指導要領「改訂への道」#04】 | みんなの教育技術2024年12月25日、学習指導要領の改訂に向けた諮問文が示されましたが、それを受け、25年1月30日に中央教育審議会教育search.app

その内容に、私の意見を加えて
お話していきます。

まず一つ目。

◆学力の地域間格差が縮小傾向

学習指導要領の存在意義はここにあります。

文科省も「学習指導要領は、
全国のどの地域で教育を受けても、
一定の水準の教育を受けられるようにするためのもの」

と言っています。

沖縄県や北海道で教育を受けても、
東京、大阪、福岡で教育を受けたとしても、
ある一定の学力を身につけることができる。

私的にはここが日本の教育制度
の一番素晴らしいところだと
思っています。

世界一教育格差のない国が、
日本だと思ってます。

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明確なデータは手元にありませんが。

もし、研究データ等があれば
教えてください。

2つ目の成果として、

◆OECDのPISA調査で高位層の割合が増え、低位層の割合が減った

OECDとは、経済協力開発機構の略で
世界38か国が加盟しています。

いわゆる先進国といわれる国々です。

そのOECDが実施する
学力調査において、
日本はほぼすべての領域でトップです。

それだけでもすごいのですが、
それに加えて、上位層が増えていて、
下位層の割合が少なくなっているというのです。

世界のモデルとなる
教育立国といってもいいでしょう。

★課題点はあるの?

これだけ成果が出ているのですから、
課題点なんてあるんですか、
と言いたくなりますよね。

そこで、元教員である
私なりの課題点を述べさせていただきます。

現行の学習指導要領は素晴らしい。

だからこそ成果が出ている。

なので言うことはありません。

しかし、あえて言うのならば、
わかりやすい表記を心がけてほしい、
ということです。

抽象的な言葉が多すぎるのです。

たとえば、次のような言葉。

「主体的・対話的な深い学び」

「学びに向かう力、人間性」

「社会に開かれた教育課程」

「カリキュラム・マネジメント」

わかりそうでわからないのです。

抽象的過ぎて、わかりそうで
わからない。

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これらのことについて、
自信をもって説明できる教員は
ほとんどいないと言っていいでしょう。

なので、書店には
多くの解説本が並んでいます。

解説本を読まなくては
理解ができないほど難解なのです。

多くの教員は素直で
勉強熱心です。

なので、学習指導要領が難解でも、
それを理解しようと頑張ります。

でも、それって、
先生方の熱意に頼りすぎです。

解説本を買わなくてもすむように、
もう少し、わかりやすく
表現してくれることを期待します。

そうすれば、学習指導要領に対する
理解と実践にブレがなくなり

多くの実践事例が蓄積されることで、
さらに教育の質が向上し、

今以上に教育格差が
縮小していくのではと思っています。

みなさんはいかがお考えでしょうか。

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