菊池雄星から学ぶ仕事術
★菊池雄星投手のデータ活用術
現役時代、ハードな教師の仕事の毎日の中で、
少しでも「楽」に、自分の資質を伸ばしていくにはどうしたらいいのか、ずっと考えていました。
今回は、それを話してみようと、いろいろ思案していました。
そんな最中、YouTubeのPIVOTチャンネルで、
メジャーリーグで活躍する
「菊池雄星」投手のインタビューを見る機会がありました。
彼の存在は知っていましたが、
彼の野球に対する思いや、
生き方について、
まとまった話を聞かせていただいたのは初めてでした。
で、どうだったかといいますと、
とにかくすごい人でした。
思考の深さと、実践力が半端なかったです。
どちらかといいますと、
陸上競技の為末大さんや、
ロッテの吉井監督さんあたりの
カテゴリーに属する、
理論と実践力のバランスを大切にする方だと思います。
ということで、
菊池選手のインタビューでの
発言をいくつか取り上げ、
効率的に自分の資質を
伸ばすことについてお話ししてみます。
「データは大切だが、
それをアウトプットできる
レベルのデータを活用することが大事」
菊池選手が言いたいことは、
多くのデータの中から、
自分の個性や特性の中で、
活用できるデータを選んで活用することが
大事であるということなのでしょう。
★強みを活かすにために「安売り」しない
彼は「自分の持ち味はストレートであり、
その証拠にストレートの方が三振率が高い」
というデータをもっていました。
しかし一方で、
「ホームランを打たれている球も
ストレートが多い」というデータももっていました。
「多くのバッターはストレートを待っていて、
それでもいいコースに決まれば、
三振は取れるが、少しでも甘くなると
ホームランを打たれる危険性もはらんでいる」
という結論を導き出します。
ならば、ストレートをいいコースに
投げられる確率を上げるために、
配球におけるストレートの割合を減らす、
という選択をするのです。
それから、菊池投手の投球の幅が広がったといいます。
これと同じことは、
教育の世界でも言えます。
たとえば、先生の中には
「自分は『語り』が上手いし、自分の武器だ」
と考えている方がかなりの割合でいらっしゃいます。
そのような先生方は、
たしかに語りが上手いのですが、
私から見ると、
それを安売りしすぎている傾向が多いように見えました。
1時間の授業の中で、先生が語る時間の割合が長いのです。
もちろん、語りが上手いので、生徒たちは聞いています。
しかし、明らかに集中力が切れている生徒もいるのです。
一方で、その「語り」を安売りすることなく、
その効果を最大にしている方もいました。
たとえば、生徒にトピックを与え、
まずは考えさせ、話し合わせたり、
発言させたりする時間を取ります。
そして、生徒たちがアウトプットに
満足したタイミングで、先生の「語り」を入れるのです。
そうすると、生徒が自分たちで考え、
発言してきたこととの相乗効果もあり、
先生の語りをスポンジのように吸収するのです。
自分の特性や優位性を、
いかに最大化させることの大切さを、
菊池選手のお話から、あらためて考えさせられました。
そして、それが「楽」につながることだと思ったのです。
★勝つときは勝つ、負けるときは負ける、それもデータ
あと、菊池選手の話で印象的だったのが、
「勝ち」に対する考え方です。
「年間、努力しなくても
勝てる試合が5試合ある。
でも、努力しても負ける試合も5試合ある。
重要なのは残りの試合を切り抜けていく
マネジメント力を高めていくこと」とおっしゃっていました。
これも、私たち教師にとって、
応用できる考え方だと思います。
授業って不思議なところがあって、
あまり教材研究をしなくても、
上手くいってしまう授業ってありますよね。
年間何時間かですが。
一方で、かなり教材研究をしたのに、
散々だったという授業もあるはずです。
研究授業に多いと思いますが、
これはかなり落ち込みますよね。
私も同じような経験をしています。
たいした準備なしで、
いい授業ができたこともあります。
自分は天才教師かなんて思いました(笑)。
かと思えば、かなり時間をかけて
教材研究をしたのに散々な授業もありました。
研究授業でしたが、
子どもたちが固まって、まったく発言しなかったのです。
子どもたちのやる気のなさや
緊張感を言い訳にしましたが、
明らかに教師の思いが空回りしていたのです。
★50点を超えていれば良し
こういった経験を繰り返して、
わかったことがあります。
成功した授業、
失敗した授業からの学びを、
日常の授業に活かし、ほとんどの授業を、
50点以上にすること、
つまり僅差で合格にしていくことが大事だということです。
50点を超えるレベルの授業でいい。
これで、気持ちが楽になりました。
私は、教育関係の本を
かなり読んできましたが、
どの本にも「教師は授業で勝負だ」
みたいなことが書かれていました。
すべての授業を勝負だと考え全力投球する。
教育界にも天才がいて、
そういった厳しいことを
おっしゃる方々がいらっしゃいます。
教師の鏡と言えますし、
理想の教師像として、
それをめざすことも大事でしょう。
しかし、これはあくまで上位1割の方に
しかできないことです。
一日4時間、多ければ
6時間の授業をこなす中で、
すべての授業に全力投球するなんて、
正直言って常人にはムリです(笑)。
ましてや、「勝負」なんて
気持ちで毎時間の授業をやっていたら、心も体ももちません。
私は明らかに「The凡人」でしたので、
「一日一時間」だけ充実した
授業があればいいという気持ちでやっていました。
ということは、
あとの時間は力を抜いていたのか
ということですが、はっきり言ってそうでした(笑)。
なので、一日一授業だったのです。
私にとって大事だったのは、
一日1時間だけは、きちんと準備して、
充実した授業をめざすということでした。
で、それはどうかというと、
考えようによっては、年間200時間、
充実した授業をしたことになります。
充実した授業を年間200時間もやれば、
いい授業のセオリーがわかってくるので、
手を抜いてやる授業であっても、
そのセオリーが生かせれば、
一定レベルのクオリティーが維持できるようになります。
これが、菊池選手がおっしゃる
「重要なのは残りの試合を切り抜けていく
マネジメント力を高めていくこと」ということだと思いました。
今回は、「楽」をするためには、
力の入れどころがどこなのかを考え、
自分をマネジメントすることなのだというお話でした。
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