保険不要論

「はじめに」でもふれましたが、保険は見直していく必要があります

とくに、教職員のみなさんは、
人がいいせいなのか、危機意識が高いのか、
必要以上に保険に入っている割合が高いと思います。

近年、ネット上でも「保険不要論」
というのが、かなり取り上げられています。

かといって、本当にそうなのでしょうか。

結論から言いますと、それは「本当です」。

しかし誤解もあります

「保険不要論」とは、
すべての保険を否定しているわけではないのです。

以下に「保険不要論」の
ポイントを列挙しておきます。

ぜひ、確認し「思い込み」を
リセットし、なぜ「保険不要論」が
取り上げられるのか、その本質を理解してほしいと思います。

〇自己資産でリスクをカバーできる場合、保険は不要

保険は、将来的な不確実なリスクに
備えるためのものであるため、
リスクを自分の資産で十分に
カバーできるなら、保険に入る必要はありません。

十分な貯蓄、資産がある場合、
病気や怪我、家族の生活費を
自分で賄えるため、毎月の高額な保険料を支払う必要がないのです。

たとえば、あなたが、貯金や株などの資産が
1000万円はある、という場合、
1000万円までの補償保険に入る必要はないのです。

あなたの資産が「保険」だと考えればいいのです。

〇保険会社の利益の方が大きいので保険は不要

保険に入っていれば、
病気になったときや事故にあったときに、
保険会社が治療費を払ってくれます。

ただし、保険を利用するためには
毎月「保険料」を保険会社に払わなければいけません。

保険会社は
非営利団体ではありませんので、
会社に利益をもたらさなくては、会社は存続できません。

つまり、皆さんから保険料を
いただくことで、利益を得られなければならないのです。

なので、保険会社は皆さんの
保険料を管理して運用して利益を出しているのです。

基本的に保険会社が皆さんに
支払うお金よりも、
みんなから集める保険料の方が大きくなければ、会社が成り立ちません。

もう少しいやらしく言ってしまえば、
みなさんの支払った保険料が、
ほとんど無駄になることを算段しているのです。

たとえば、病気にならなかったり、
事故にあわなかったりしたら、
保険のお金をもらうことはありません。

一部の資料では、生命保険加入者のうち、
契約期間中に保険金を受け取る人は
5%未満
というデータもあります。

もちろん、終身保険などの場合は、
いつか必ず保険金が支払われるため、
加入者全員が受け取ることになりますが、
それについても疑問が残ります。

養老保険、終身保険、年金保険といった
積み立て型の保険は、
保険料を支払うことで、契約期間が満了したり
死亡したりしたときに、
支払ったお金(保険料)に見合った額が戻ってくる仕組みです。

これならいいじゃん!

そう思いますよね。

しかしながら、
この「積み立て型保険」にしても、
「投資」を比べたとき、デメリットの方が大きいことがわかります。

積み立て型保険、
つまり養老保険、終身保険、年金保険は、
万が一、事故や病気で死亡した場合、

家族が保障を受け取ることができるため、
家族に対する経済的な安心感を与えることができます。

保険としての保障機能がある点が大きなメリットともいえます。

自動的に毎月一定額を
積み立てる仕組みなので、
自分で貯金するのが苦手な人でも、無理なくお金を貯められます。

また、保険期間が終了すると、
支払った保険料に相当する金額が
戻ってくるため、確実に貯蓄ができます。

さらに、元本が保証されているので、
一定額が契約満了時に返ってきます。

ただ、積み立て型の保険は、
保障機能が含まれているため、
リターン、つまり増えるお金は投資に比べてかなり低くなります。

また、契約期間中に解約した場合、
解約返戻金が少なく、
元本を下回る場合があることも留意しておかなくてはなりません。

また、けっこう手続きが煩雑で、
すぐに現金化できないため、急な資金が必要なときに不便です。

つまり、こういった積立型の保険の場合は、
貯蓄としての機能として使うならいいのですが、
つみたて投資と比べると「儲け」はかなり少ないということです。

〇公的保障が十分である場合、追加の保険は不要

日本の社会保障制度は
比較的充実しており、

健康保険、年金、傷病手当金、
失業給付など、
生活の中での多くのリスクに対応できるように設計されています。

そのため、民間の保険に加入する必要が薄いとする考え方です。

とくに健康保険は、高額療養費制度などによって、
大きな医療費も自己負担を抑えることができるため、
過剰な医療保険や生命保険は無駄であるという意見です。

〇保険料が生活を圧迫する場合、保険は不要

毎月の保険料の支払いが
家計に大きな負担を与える場合、
長期的に考えるとその費用は
他の資産形成(例えば、貯金や投資)に回した方が効率的であるという主張です。

「はじめに」でもふれましたが、
保険料への支出が重たくて、
資産形成ができないというのは、本末転倒。

これが「保険貧乏」なのです。

逆に、保険に支払うお金を
資産運用に回すことで、
将来的により大きな利益を得る可能性がある
ということなのです。

なにかあった場合は、この保険ではなく、
この資産を利用すればいいということ。

ということで、「保険不要論」の本旨は、
主に「医療保険」はいらないということ。

また、「生命保険」は、
貯蓄の感覚ならOKだけど、
投資という感覚なら、それは「不要」ということなのです。

基本的に「保険」は、
あなたと関わる人、とくに家族を不幸にしないためのリスクヘッジなのです。