教員退職後①～もう働かないという選択肢はありません～

★「退職イコール老人」なんて時代ではない

今回から、シリーズで
教職員の退職後の
セカンドキャリアについてお話ししていきます。

そもそも私が
資産形成の話をしているのは、

単に経済的な豊かさを
求めていることだけではありません。

むしろ、先生方が、
教育の仕事を終えた後の人生、

つまりセカンドキャリアを
輝かせてほしいと考えているからです。

しかし、一般的には、

「退職イコール老人」

「老後イコール悠々自適に過ごすもの」

みたいな、ステレオタイプなイメージが
いまだに刷り込まれて、

「60歳を過ぎても働けなんて、無理でしょう」

と思われる方がほとんどです。

しかし、もうそんなことを
言っていられる時代ではないのです。

★あと40年ある

2016年に出版された
『LIFE SHIFT（ライフ・シフト）』
という本をご存知ですよね。

この本では、
日本人の寿命に関するデータが
紹介されています。

日本では2007年生まれの
子どもの半数が107歳まで生きられること。

また、平均寿命世界上位の国を
グラフ化すると、

寿命が2年ごとに
平均2〜3年のペースで上昇していること。

などです。

つまり、今50歳未満の日本人は
100年以上生きる時代を過ごす可能性が高いのです。

人生100年時代がほんとうなら、
60歳時点で人生残り
あと40年もあるのです。

その半分でも20年です。
何もしないとしたら、
それはとてつもなく長く感じることでしょう。

★75歳以上も働いている現実

しかも、皆さんが気付かないうちに、
社会の雰囲気は、
60歳以上もはたらくべき。

または、
働かざるを得ない。

といった感覚になってきているのです。

私も退職する際に、ほとんどの方から、

「今後どうするの？」

「継続雇用しないの？」

なんて聞かれました。

今や退職後何もしない、
という選択はないのだと実感しました。

たしかに何もしなければ
年金給付が始まる65歳まで
無収入ですから、

働かざるを得ない現実もあります。

総務省の労働力調査によると、
2023年における75歳以上の就業率は11.4%で、
過去最高を更新しています。

75歳以上でも、およそ10人に1人以上は
働いているのですよ。

ましてや60歳だとしたら、
ほとんどの方が働いていてもおかしくないですよ。

しかも、その就業率の割合は
さらに右肩上がりなのです。

知ってましたか。

皆さんが知らないうちに、
シニアの世代も働かなくては
ならない時代になっていたんですよ。

ですので、
その準備をしておかなくてはなりません。

★働く選択肢はたくさんある

そうは言っても、
働く場所はあるの？ということですが、

あります。

とくに、教職員ならば、
継続雇用、再雇用も可能です。

さらに、近年のIT、AIの進化により、
リモートワークなどを含め、
働く環境が変化したことで、

60歳を超えた方々でも
新たなことに挑戦できる環境が
整ってきていますので、

自分で開拓すれば、
教育分野以外の仕事にも挑戦できるかもしれません。

ですので、
これから退職を迎える方々には、

是非とも、セカンドキャリアに
チャレンジしてもらいたいのです。

★何を始めるにしても遅いことはない

たとえば、私の周りにも、

「あきらめていた留学を実現させたい」

「好きなドローン撮影でビジネスを展開したい」

「不登校生徒を支援する社団法人を立ち上げる」

「日本語教師になり、海外で教えたい」

といった夢に向かって頑張っている方々もいます。

あと、やや飛躍しますが、

江戸時代に日本で最初に
精巧な日本地図を作成した伊能忠敬は、
55歳がその測量事業のスタート地点でした。

当時の平均寿命が
40歳程度といわれていますので、
55歳といえばかなりの高齢だったといえます。

また、90歳まで生きた葛飾北斎は、
60歳を過ぎてからも
新たな画風に挑戦しており、

最高傑作といわれる
「冬越しの龍」を描いたのは
なんと89歳の時です。

米国「ケンタッキーフライドチキン」の
創業者カーネルサンダースは、
65歳で起業しています。

彼は

「人生は自分でつくるもの。
何を始めるにしても遅いことはない」

という言葉を残しています。

これからのみなさんは、
複数のキャリアを生きていくことが
可能な時代になったのです。

ですので、
今後、教職員を退職したあとも、
セカンドキャリアにチャレンジしてもらいたいのです。

それが私どもの願いなのです。

では、そのセカンドキャリアへの
準備をいかに行っていけばいいかについて、
次回よりお話ししていきたいと思います。

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