学級経営のキモは人間関係
書店に行くと「学級経営指南本」が多く並んでいます。 どの本からも学ぶことがあります。 しかし、あたりまえのことが書かれていない気もします。 そのあたりまえとは「人間関係」です。 心理学者のアドラーも言っていますが、 人の悩みのほとんどは、「人間関係」です。 それは、学級という小さなコミュニティーであればなおさらです。 否が応でも、毎日、同じメンバーと顔を合わすます。 関係性がおかしくなれば、その悩みは深刻です。 では、どうしたら学級において、 より良い人間関係が育まれるのでしょうか。 それほど難しいことではありません。 簡単に言いまうと、子どもたち同士の「接触頻度」を高めるのです。 たとえば、30人構成の学級であれば、 各教科の授業で、学習グループをつくります。 グループ構成は、ふつうに、隣接する席の3~4人です。 4人以上にならないことが大事です。 4人以上になると、 メンバー間のコミュニケーションの頻度に偏りがでてくるからです。 さて、授業の中で、1時間に1回くらい、10分くらいでもいいので、 その学習グループのメンバーが、 互いに協力し合わなければ達成できないような課題を与えます。 そして、グループの仲間が協力し合って、課題を達成できたら、 教師から「フィードバック」してあげます。 たとえば、 「それぞれの得意なことを生かせていたね」 「お互いに励まし合っていてとてもいいチームワークだった」 などです。 毎日、毎時間、こういった授業をしていると、 自然に学習グループのメンバー同士の仲がよくなっていきます。 でも、これで終わりません。 1週間に1回、または2週に1回の頻度で席替えをして、 新たな学習グループで、同じ学習活動を繰り返します。 このようなことを1か月から2か月ほど続けていきますと、 おどろくほど、学級の子ども同士は仲良くなり、 信頼関係が構築されます。 こうなると学級経営は楽です。 何をやってもうまくいきます。 人間関係がうまくいかない理由は、お互いを知らないことに尽きます。 互いのことを知らなければ、誤解がうまれ、雰囲気も悪くなります。 「単純接触効果」という言葉を聞いたことはありますか。 何度も見たり聞いたりすることで、 その対象となる人やものにいい印象を持ちやすくなる現象のことです。 学習グループの取組は、その効果を生かした取組です。 もちろん、細かな点で気を付けなければならない点もありますが、 実践してみる価値はあると思います。